【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「くるみ、」
「へ……っ!?」
「くるみ」
何度も名前を呼ぶたび、分かりやすく赤くなるから可愛い。
こんな表情、俺以外の誰にも見せるなよ。
「───くるみ、大好き」
俺はこんな人間じゃないはずだった。
もっと冷たくて、でも誰にでも優しい男だった。
……でも俺は、今の自分が気に入ってる。
「……っふ、れ、玲くん……」
俺のことが好きで、好きでたまらないという顔をしている。
この小さな存在が、腕の中にある限り。
「玲くん、わたしも、大好き」
「うん。知ってる」
俺、こいつがすげー可愛い。
だから……普通になんて愛してやれない。
最大限、おまえの可愛いところが見たいんだ。
くるくる変わるその表情も、その口から紡がれる言葉も、涙も全部、俺のものだ。
だから、やっぱりそうなのかもしれない。
俺は、世界中の誰よりも……
おまえの愛し方を間違えてる。
《立花くんは愛し方を間違えてる》 fin *