【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
なんて言う暇も与えられぬまま、花鈴に背中を押されて。
気づけばわたしの位置は立花くんの数歩手前。
「……っ」
「がんばれ、くるみ」
口をパクパクさせてるわたしを見て、花鈴が楽しそうにそう言った。
なんでこんなことになっちゃったんだろ。
引き受けたのはわたし、だけどさ……
チラリ、と目の前の立花くんの様子を伺うと。
周りにはそれなりに人だかりができていて、どこの班に入るやら、入らないやらの話をしてるのが聞こえる。
こんな中に特攻していって、わたしの班に入って! なんて、言える……!?
……なんだか急に怖気付いて来ちゃった。
だって、むりだって、わたしなんかに。
そもそも、わたしなんかが誘っても入ってくれないよ? 多分。
(……逃げたい)
そう、思ったそのときだった。
誰かと話してたはずの立花くんが、ふいに視線をずらしてこちらを向いたんだ。
パッと、重なり合う視線。