続 鉄の女には深い愛情を
昼休み……


今日はいつものカフェじゃなく
構内でも人気のレストランに来ていた。


ちょっと混雑してるけど
2人ならいつも待たずに座れる。


「なんだかんだ、仲良くやってるみたいね?天は。」


「おかげさまで。 実は健夫のマンションに住むことになってさ。
今朝から移動したからちょっとバタバタしてたのよ」


「あら、その割りには随分とゆっくりしてたんじゃない?こんなにところにこんな傷作って(笑)」


と私の首についた絆創膏をチョンッと触りながら楽しそうに話す千里。


「そ、そそれは、まぁ、ちょっとしたアクシデントで………
でもまぁ、惚れた弱みです。
否定はしません……はい」


ああ
恥ずかしくて顔から火が出そうだわ!


パタパタ自分の顔を仰いでいると


「やっぱり、また丸くなった。天」
と嬉しそうに言う千里


「そっかなぁ……千里といる時は私はいつも自然体でいられるから。
そうじゃなくて?」


「あらあら嬉しい事言ってくれるじゃないの(笑)
まぁ、そうね!私といる時の天はいつも素直でカワイイけどね。
でも、なんか雰囲気は日に日に少しずつ変わってきてるような気がするわ」




そんな会話をしていると
2人組の男が近寄ってきた


「おい!千里か??」


「えええ!!ヒサシ??お昼にこっち入ってくるなんて珍しいね!」


ヒサシくんか!
千里の彼。
ヒサシくんは向かい側の大学に通ってるの。
基本大学内のカフェ、レストランは出入り自由だからね。


千里とヒサシ君が知り合ったのは、私達が向こうの大学のカフェに行ったから。
どうしても食べたい桃のデザートがあって、千里に付き合って貰ったの。
だから、私がキューピッドみたいな感じかな(笑)


ヒサシ君は身体は千里好みのラガーマンタイプ。
顔は爽やかで優しい顔のイケメンで
千里と本当お似合いなの。
顔だけで言ったら、健夫より祐介みたいな系統かな。
向かい側の大学はスポーツ校と言われる程にどの部活もみんな強豪。
ヒサシ君はサッカー部のキーパー。
大学出たらプロ入り確実と言われてる。


「天ちゃんも、久しぶり!!」
とヒサシ君が爽やかな笑顔で言った。
健夫には負けるけど(笑)
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