続 鉄の女には深い愛情を

女の子達を一掃し
オマケに周りにいた男子たちも一掃してしまった明夫くん。


普段から穴場カフェといわれているが、いつもよりもさらに静寂に包まれた所で
明夫くんが口を開いた



「天、落ち着くまで家に帰った方がいい」


「え？なんで？？」



「笠原慎吾の保護観察が終了した。
行方をあっと言う間にくらましたらしい」


「………天、やばいんじゃないの？」
千里がつぶやいた。



笠原慎吾から
私は昨年ストーカー被害にあっていた。


本当生きたここちのしない3ヶ月間だった。


近所の人が連携して私を守ってくれたおかげで逮捕された。
少年ということで保護観察がついて
一ヶ月前に二十歳を迎えた笠原は保護観察が解けた。


私に近づかないという警告も裁判所によって受理されてるので、私に接触したらまた逮捕される事になる。


その笠原が保護観察が解けた瞬間に身元がわからなくなったそう
私の名前がぎっしり書いてあるノートを残して


心配になった笠原の両親が警察に通報したそう。


明夫くんは検事なので
警察関係の人とも交流があるので情報源は確かで、私の家の近くの駅で笠原を見たという目撃情報もあるらしい。





その話を聞いてすっかり恐れをなした私はいつの間にかガクガク震えながら千里の手をギュッと握りしめていた




千里は

「……天。大丈夫？？」



と言って抱きしめて背中をさすってくれた



さすがの私もあの恐怖は2度と
味わいたくない。



本当に殺されるところまで追い詰められたから



あの時は近所の人たちや明夫くん、パパママ、綾ちゃん、修二くん、千里。
みんなで私を守ってくれたんだ。



そして、明夫くんがわざわざ私の大学まで来てこの話をするということは



笠原の手はそこまで迫って来ているということだ。




こわい


こわい



こわいよ



「…千里……明夫くん……
こわい……健夫は…大丈夫かな？…」



そしてあの笠原という男は
健夫の存在を知ったら私どころか健夫の命も狙うはず。


そう思うと震えが止まってくれなかった