【完】午前0時日付が変わっても


とぼとぼと歩いてやってきたのはブランコとベンチがある小さな公園。


ここよりも少し離れた大きな公園の方が人気らしく、こっちはあんまりらしい。


時々、公園をつっきっていく通行人がいるぐらい。


ぼけっとするにはちょうどいい場所なのかも。


はぁ〜って大きなため息ついても、大丈夫。






「ママー、今日ハンバーグだよね?」


「そうだよ。今日は大好物だらけにしちゃうからね」


「楽しみー!」




楽しそうにはしゃぐ声にハッと意識が戻る。



空もだんだんと暗くなっていて。


今何時だろう……?


どれくらい私はここにいたんだろう。



「お昼なにも食べてないからお腹すいたぁ……」



ベンチの背もたれに寄りかかり、空を見上げる。


声が誰かに拾ってもらえるわけでもなく、あの空に吸い込まれてく。


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