遅咲きの恋は花屋にて。


ひとしきり笑った後、
松田は少し不貞腐れたように言った。

「まあ、でもさ実際羨ましいよ。」
「え?羨ましい?何が?」
「そいつだよ!高校生!!名前なんていうの⁉︎」
「え?えっと…翔太君だけど。」
「俺は翔太になりてぇよ。」


松田の声が途端にか細くなる。すると、松田ははあっと大きなため息をつき、テーブルに突っ伏せた。


「翔太君の何が羨ましいって言うのよ。翔太君からすれば、こんなオバさんにトキメかれても全然嬉しくないのよ〜。」

春香は酎ハイをチビチビと飲みながら言った。


長谷川翔太(ハセガワ ショウタ)。
それが彼の名前だ。春香は彼が高校生だと判明した後、サクラソウの育て方を聞くために少し彼と立ち話をしたのだ。

翔太は高校3年生の17歳。母の影響で花が好きになり、叔母に頼んで花屋で働くことになったらしい。春香が最初に会った、綺麗で上品な女性は翔太君の叔母だったのだ。

花のことを語る翔太の表情は、とてもキラキラしていて眩しかった。
そして…とても綺麗だった。





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