ダイヤモンドの未来
その期待に応えられるように、心をこめてベルをならす。おしゃべりをすることなく、静かに聞いてくれた子ども達は、演奏が終わると満面の笑みになり、小さな手で、大きな拍手をしてくれた。

そして、サンタさんが登場すると、笑顔がはじけた。先生は、近くのスタッフから、プレゼントを受け取り、一人一人と目の高さを合わせるように、しゃがみ、優しい笑顔で、頭を撫でたりしながら、プレゼントを配っていた。

プレゼントを配り終えた先生は、子どもや親たちに囲まれて、写真を撮っていた。

病院で迎えるクリスマスは、決して望んだ状況ではなく、私には想像しかできないシビアな現実があるはず。そんなことを思ってしまったせいか、この一時の笑顔あふれる光景に涙が出そうになり、慌てて、目に力を入れる。

子ども達から、目をそらすと、後ろの方で目頭を押さえるママ達の姿が見えて、再びぐっとこらえた。



コンサートが終わり、ほっとしてみんなで会議室へ戻る。先生は、PHSが鳴ったのか、立ち止まり、背を向けて話していた。

< 103 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop