ダイヤモンドの未来
そして、やっと腕に抱いた香江。

医者や男に対する恐怖心がどれだけこの行為に影響を及ぼすのかは、正直未知数だった。

香江は大切に思っているけれど、外来で泣いていた姿は鮮明だ。香江は、映画の時もタオルを目に押し当てて泣いた。涙が頬を伝う姿を見せたことはない。

いつか、遠慮のない泣き顔も見ることがてきるだろうか。

香江にとってはつらい事故、ただその過去があるからこそ、俺との出会いもあった。 

過去を受け入れ、今をゆっくり積み重ねた日々の先の未来に、安心して泣ける場所が俺であり、イルミネーションに照らされたような輝く笑顔を見られることを、祈る。

そんな日々を重ねて行くことを、穏やかな寝顔に誓う。

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