ダイヤモンドの未来
「お店の人が言ってたんだけど、このダイヤは

『過去、現在、未来』

を現してるんだって。」

はじめてみる、先生の照れくさそうな声と表情。

「ちなみに、ダイヤは俺の誕生石だから。」

先生の誕生石が輝く未来。

じっとネックレスを見つめる。

「香江。」

先生が、私の左手をとった。

その手を見つめる。


「俺、いい年だし、まだ付き合いはじめたばかりだけど…

次はここにダイヤ、プレゼントするつもりだから。

そのつもりで、付き合ってほしい。」

先生は、左手の薬指を包んだ。

「…隼人さん」

涙混じりの声でよんだ私をぎゅっと抱きしめてくれた。

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