ダイヤモンドの未来
「よかった。

決まりな。

詳しいことは、コーヒー飲みながら、相談しよう。」

と満足そうな笑みを浮かべる。

はっと我に返るが、今更否定も出来ず、覚悟を決める。

コーヒーショップに入り、奥の方の2人掛けの小さなテーブル席に向かい合う。

「いつ手術がいい?」

「年末にお願いできたら、ありがたいです。」

「大学とうち(総合病院)とどっちがいい?」

「できれば大学で。」

先生はスマホでスケジュールを確認しているらしい。

「確認だけど、執刀医、俺でいい?」

「はい、お願いします。」

先生以外は無理という確信はある。

「12/26に大学で外来があるから、それを受診してもらって、そのまま入院。

27オペでいいかな?」

「お願いします。」

先生は淡々と予定を組んでいく。

あらかじめ、考えていてくれたのだろうか。

『お願いします。』しか言えない。

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