Closed~閉じてる彼ら~
「縁ちゃん。大丈夫?」



咳こむ。


まだ、声が出せない。



「遥ぁ。水流はどうする?」

「交番にでも届けて。私は縁ちゃんを送るから」

「解った。マイクケーブルは?」

「アンタが持ってって」

「解った」


武藤部長はささらを担いで行った。





手が差し出される。


「縁ちゃん。立てる?」


手をとる。

立ち上がる。


「歩ける?」


頷く。


「ウチの連中はホント、ワケアリ者ばっかり…」


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