エターナル・フロンティア~後編~

 重く暗い話をしていると、支払いを終えたユアンが戻って来る。ユアンが戻って来たことにソラは話を変更し、彼に何を話していたか気付かれないようにする。ソラが変更した話は、何を食べようかというもの。折角遠出したのだから、イリアと一緒に食事をしたいという。

 突然話が変更されたことにイリアは戸惑いを覚えるが、ソラと一緒に食事をしたい気持ちが強かったらしく、嬉しそうに頷くとパスタ類やデザートを食べたいとソラに頼む。仲良く食事の約束をしている二人に、ユアンは口許を緩めると「僕は邪魔かな」と、言い出す。

「邪魔です」

「ソ、ソラ」

「言うな」

「一応、本音ですから。それに貴方の場合、隠し事をしていてもわかってしまう。だから……」

 長い付き合いの結果、ユアンの特徴を熟知しているソラ。だからこそユアン相手に本音を言い放ち、自分の意思を示す。勿論、ユアンは悪い気はせず、寧ろ本音を言ってくれた方が嬉しい。また下手な言い訳は気分を害し、心の中に粘着質の高いどす黒いモノが湧き出してくる。

「やっと付き合いだしたのだから、一緒にいたいと思うのは素直な気持ちだ。さて、食事の約束をしていたようだが……何処かで、待っていた方がいいかな? 別に、僕は一人でも構わない」

「いえ、今日は……」

「違うのか?」

「違います」

 イリアと一緒に食事に行くというのなら、それ相応の店を選びたいもの。また、彼女の好みを重視したい。だから今日すぐに行くことはせず、互いの都合がいい日に行きたいとソラは考えていた。一方、今日一緒に行けることを期待していたのか、イリアはちょっと切ない表情を作る。

「……行かないの?」

「イリア?」

「今日だと、思っていたわ」

「彼女は、今日行くことを期待していたようだ。全く、君は……冷たい男になってしまうぞ」

 彼等のやり取り――というより、ソラの鈍感さにユアンは笑い出すと、ソラに彼女の期待に答えてやらないと男ではないと言う。流石、多くの女性と付き合った経験を持つ者。その言葉には実に重みがあり、この場合は恋愛経験が豊富のユアンの言葉に従わないといけない。
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