エターナル・フロンティア~後編~

「やっぱり、薬を使っているの?」

「……ああ」

「どうして使うの?」

「力の制御と安定と……」

 服用している薬の効果は多岐に渡り、その中には言葉に出すことが憚れる効果も存在する。強い薬は能力者の身体の深い部分まで浸透し、若い肉体をボロボロにしていく。現にソラも薬の影響で身体を痛め、それを回復させる為に違う薬を服用するという悪循環だった。

 オレは、子供を――

 そう、ソラはイリアに語った。

 全ては、薬の影響でこうなってしまった。だからといって、薬を手放せる状況にあるわけではない。矛盾している状況に毒付くが、これが能力者が置かれている現実。そして彼等を薬漬けにしたのは科学者で、それで自分達に都合がいいように管理しているといっていい。

「いつか……」

「いつか?」

「いつか、薬を頼らなくてもいいようになるの?」

「それはわからない。現在の状況が当たり前となっているし、科学者が何と言うかわからない」

「ラドック博士は?」

「あの人は……前に言ったように、タツキに聞いた方がいい。タツキの方が、話してくれるよ」

 ユアンに尋ねても、明確な答えを言ってくれることはない。ユアンは能力者が使用している薬を生み出した者で、そのような人物が薬を否定するわけがない。だから薬の使用に反対しているタツキに聞いた方が、正しい答えを言ってくれるのではないかとソラは考える。

「これについては、ラドック博士には内緒だ」

「どうして」

「知られたくないんだ」

「ソラが言うのなら……」

「御免」

「謝らなくていいわ」

 イリアにしてみれば、何も知らなかった自分が悪い。無知は相手を傷つけ、自分の愚かさを浮き彫りにすることに気付いたイリアにとって、ソラの言葉を否定するだけの言葉を見付けることができない。それに彼女はソラを支え、隣で寄り添うことを選んだのだから――
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