天才に恋をした

20-3

追いかけてきた角田を振り払って、家に帰った。

荒々しくドアを開け、カバンを放り出す。



「畜生!」



家に人の気配はない。

まだ三時だ。



シャワーを浴びてなかった。

マジでイラつく。

とりあえず、風呂に入る。



シャワーを頭から浴びながらも、ハラが立って仕方ない。

何もかもハラが立つ。



あんなバカ女たちに、苗を侮辱する資格なんかない。

そのきっかけを作った陸玖にもハラが立つ。

苗を人前にさらすなよ!

その上、謹慎?



「っざけんな!!」



あの場で冷静になれなかった、自分自身にもムカつく。

陸玖みたいに対処できない、ガキの俺にムカつく。



乱暴に頭を洗い、体を洗い流して、風呂から上がった。



ノドが乾いた。

あーあ。

大人は、こういう時にヤケ酒するんだな…
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