天才に恋をした

26-2

―リーグブル共和国、分かるだろ?

ヨーロッパにある、小さい国なんだけど。

奇跡の独立国って言われてる。



宮崎先生は若い頃に

リーグブルの植物について、いくつも論文を書いてたんだ。

十年後にその両隣の国が戦争になって、

リーグブルが踏みつけにあうところだった。



その国の生態系が、かなり特殊だと先生は論文で書いていた。

しかも、新薬ができる可能性を論じてたんだ。

そんな場所を戦場にするなと、世界中が反対した。



結局、軍の進行が見送られているうちに、和平が成立。


そして実際に、新薬が次々に開発されて、国家規模に釣り合わないほど、莫大な国家予算とノーベル賞学者が輩出されて。

今の世界的な学研国家になったんだ。


だから、先生はリーグブルの英雄なんだよ。


ネットで検索してみな。

街のあちこちに銅像があるから―
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