天才に恋をした
村は、炭で塗りつぶされたみたいに、真っ黒になってた。



誰もいなくて、住んでいた家に行ったら、焼けて崩れ落ちてた。



火事になったから、みんな避難しちゃったんだ。

どこに避難したんだろう?って思った時、海の方で人の声が聞こえた。



近づくにつれて、

「ひーひー」って何かを切り裂くような声と、

お経みたいな唸り声がした。




浜辺に出ると、思ったよりたくさんの人がいた。

お父さんもいた。

だけど、後は知らない人ばっかりだった。



その人の輪の中心に、たくさんの人が寝かされていた。

私は「どうしたの?」って、お父さんに聞こうとした時、子供も寝かされてることに気づいた。



その子供は…




ルカだった。
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