天才に恋をした

声が聴こえた。





「みんな。迎えに来たよ」





そよ風に混じってレリーフをなでる。






「もう大丈夫だよ」






そこに、

俺と出逢う前の苗がいた。



たった独りで、

恐怖や悲しみや怒りに震えて、

それでも平和を取り戻すと誓った十二歳の苗がいた。





そして、ここに高校時代の俺がいる。





__早く大人になって、苗を__


__苗に付いて行くんでも、追いかけて行くんでもない__






ここに居るって、分かってた。

ずっと、ここで待ってるって。











「苗……迎えに来たよ」








サッカーボールと子供たちの歓声が、空へ舞い上がる。

また新しい遊びを考え出したんだ。



子供はみんな天才だから。










【完】
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