天才に恋をした
「言って良いことと、悪いことがあるだろ」

陸玖が険しい顔で言った。



角田が口をとがらせた。


「じゃあ乃愛はー!?乃愛はいいのかよぉ!?」

「良いわけない。だけど、それに乗っちゃダメだろ」


角田…本当にいい奴なんだけどな…。



「それ以上、責めないでやってくれ」

「わかってるよ。乃愛には反省文書かすから、角田は部室の掃除な」



陸玖が倫理委員会のメンバーとは知らなかった。

つーか、倫理委員会なんてあるのも忘れてた。


倫理委員会っていうのは、

やっちゃいけない事とか、

言ったらいけない事の線引きをして、

問題が起こったら調査したり、

処分したりする。




「もう帰っていい?」

角田が気だるく言った。



「いいよ」

「あーあ、最悪!」


気の毒すぎる。

俺も掃除、手伝おう。


「あ。うちの展示見に来いよ」

「分かった分かった」

「宮崎さん、頑張ったんだからさ」


…ムカッときた。

言われるまでもねーし。
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