天才に恋をした

15-3

「あ。『こどもの権利条約』だって」

「思ったより人いるな」



俺と角田は、苗の教室へ入った。

受付の子が、俺を見て苗を呼んでくれた。



「おお~!」

「すげーな」



教室は、カラフルな雑誌の世界に入ったみたいだった。

苗が口をモグモグさせながら、やって来た。



「何食ってんの?」

「お好み焼き」



角田が言った。


「宮崎さん、雰囲気変わったね」

「そうかぁ?」

「あ、メガネ変えたんだ」


苗がうなずく。


…あ。本当だ。

いつ変えたんだろ。



「宮崎さんは何やったの?」

「翻訳だよな」



苗はうなずく。
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