天才に恋をした
「まぁくん!これ見て!」

「まぁ兄ちゃん!今日ねぇ朝ゃときねぇ…」

「ワンワン!」

「キャンキャンッ!」

「止めなさいっ」


…動物園か。



下の兄貴は、目ざとい。

「何これ?壁に穴開いている…」



親父が言う。

「真咲が青春した跡だ」

「え…!真咲が?」



言うなよ。

面倒くさいな。



「あのクールな真咲がねぇ」

「妹ができて変わったか!」


集合二時間。

すでに、うぜぇ。


姉ちゃんが口に手を当てて驚いている。

「まぁくんがコレをねぇ…」

「絵で隠しとけ」

「アタシかくぅ!」

「アタチもかく!」

「お前たちの絵は穴よりワルイ」



母ちゃんが言う。

「真咲、コレお皿に分けてぇ」

「苗はぁ!?」

「今、埋まってるから」



本当だ…

埋まってる…

ガキと犬に埋まってる。
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