天才に恋をした
「で…どうなった?」

陸玖がシューズの泥を落とす。

あ、俺もやらないと。



角田が乃愛のマネをしながら言う。

「放課後まで下向いて、こうやって肩怒らせて帰ったよ。」

「でもさ、誰が上がってきたんだ?」


角田の疑問は、みんなの疑問だった。

こういう学校は、成績があまり変動しない。



「誰だろうな…?」

「陸玖が一位でしょ?」

「うん」

照れも何もない。

さすが秀才。



「二位は、漫研の…」

「佐野ちゃんね」

「違うよ」



陸玖がイタズラっぽく、顔を上げた。




「宮崎さんだよ」




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