天才に恋をした
ホンリョウ発揮

17-1

新学期早々、テストが返された。

今さら返されても、何も覚えてねーけど。



お。多少順位が上がっ…

「ええっ!?」

と妙な悲鳴が上がった。


声のした方を振り返る。

乃愛だ。

顔、真っ青。

どうしたんだ?



「先生、これおかしくないですか?」

声が震えてる。



「どうした?」

「え…だって順位がおかしいんですけど」



先生が神妙な顔で言った。

「君が下がったのではなく、他の子が上がったのだよ」



乃愛の成績表をのぞき込んだ子が言った。

「それでも4位じゃん」

「ナイナイッ!あり得ない!」


乃愛が狂ったように首を振る。

「だって私、今回3教科最高得点だったんだよ!?」



先生は困ったように言った。

「今回は確かにレベルが高かった。特にC組は…」



苗と陸玖のクラスだ。

「文化祭以降、学級一眼となって成績向上に努めた。その結果だよ」



「ないっ!絶対あり得ない!ないないない!」

乃愛が絶叫。



クラス中がドン引きした。
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