ハイカロリーラヴァーズ

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「帰り、大丈夫なの」

 帰りの心配なんかしなくて良いのに。青司がそんなこと気にしなくて良いのに。
 ここに来てどれくらい時間が経ったのか分からない。日付が変わろうとしていた。ライブが終わったのが、確か21時過ぎだったはず。それから打ち上げに連れて行かれて……。ああ、計算するのも面倒だ。

「大丈夫だよ。いつものことでしょ」

「……まぁ」


 裏返ったパンストを元に戻し、履こうとする。少し汗ばんでいるけど、シャワーは家で浴びよう。この部屋ですっきりさせた方が良いのかもしれないけど、だるくて面倒だった。下着もきっと汚れてしまっている。

「なぁ、このまま泊まれない?」

 ブラウスはあっち。スカートはそっち。拾わなければ。もうちょっと綺麗に脱げばいいのにっていつも思う。

 青司に聞こえないように小さくため息をつく。声をあげて泣いてしまった。それを、泣き止むまでただ抱きしめてくれていた。

「……なに言ってるの?」

 なんだか、今日の青司はおかしい。でもそれは、あたしも同じ。
 さっき、泣いていて、ひとりじゃなくて良かった、そう思ったんだ。青司の腕が、とても安心を与えてくれて、ほっとしている自分を、自覚していた。

「好きだよ、華さん」

 一瞬、なにを言われたのか分からなかった。動作を止めて、背中で次の言葉を待った。聞きたくないような気がする。まさか。

 青司の安心と、この関係が崩れる恐怖が、混ざった不安定な気持ちが、心に渦巻いた。

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