あなただけを見つめてる。


明らかに、私の話で盛り上がってるんでしょ?



「根本さん」



私は楽しそうに笑うその人の背後から声をかけた。


すると、根本さんはその声に振り向く。



「あ、噂をすれば男好きの葉月さんの登場じゃん」



いかにもバカにしたようなへらへらした態度。



「どうしたの?そんなこわーい顔して」



取り巻きたちも、ケラケラと笑っている。


この状況にすでにビクビクして、怯んでしまいそうになる。


私の手は震えていた。


それでも、怯むわけにはいかない。


今まで、怖くて何も言い返すことができなかった。


でも、私は変わるって決めたから。



「あのプリントを作って掲示板に貼ったのって根本さんたちなんでしょ?」



声が震えた。


鼻の奥がツーンと痛くなった。


それでも、なんとか言うことができた。


それだけでも、私にとってはこれは大きな進歩。








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