自分への手紙




僕は思わず立ち上がった。


一瞬だった。カーテンが揺れた時一瞬だけ真っ白な腕に無数にある傷跡を見た。長いのから細いの…深いやつから浅いやつ。消えかけているのもあれば、まだ新しいのもある。



どうして……??



「ん……」


「あ、柏崎さん…起きた??」



カーテンの向こうで柏崎さんが起きて先生が柏崎さんの様子を見ているようだ。



「あ、はい…もう、戻りますので」


「え…無理しないでね」




先生は僕には、絶対と言っていいほど、かけたことのないすごく優しい声を柏崎さんにかけた。



「もちろんです…」


「何かあったらすぐに言うのよ?一人で抱え込んじゃダメだからね」


「ありがとうございました。」



柏崎さんはそういうと、ゆっくりと歩いて保健室を後にした。

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