社内恋愛がバレるとき
しばらく会場がシーンとなった。

その沈黙を破ったのは、やっぱり菊地さん。

「えーっ。
山下さんと小林さん、付き合ってたんですかぁ?
かなりショックです。
あー、でも。
1ヶ月くらい前、2人が社食で話しているのを見て、゛あの2人、お似合いだよねぇ゛って話してたんです。
だから。
小林さんだから良かったです」

菊地さんの言葉に、総務部の女性たちが
「あー、そうだね」
「そんなこと、あったかもね」
と話し出す。

1ヶ月前、確かに一樹と2人でランチを食べたときがあった。
偶然、一樹が社内にいて時間が一緒になったときだ。

『同期だから』としか思われないだろう…

そう話していたのに、そんなふうに見られていたんだ。
ちょっと嬉しいかも。

「菊地さん、みんな。ありがとう」
一樹の後ろからお礼を言った。

「じゃあ、お先に失礼します」
一樹が言って、2人で頭を下げて宴会場を後にした。




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