女子力高めなはずなのに
約束の日の夕方、槇村さんから「やっぱり外回りで少し遅くなりそう」と連絡があった。

営業さんって大変だな。

ずっと内勤の私には、外回りのお仕事はよくわからない。

定時を過ぎても経理課の自分のデスクにいたらまた余計な残業が降りかかって来そうで、とりあえず席を立って、更衣室でぼーっとしながら足をブラブラさせて待っていた。

いや、正確にはぼーっとはしていなかった。

いろいろとグルグル考えちゃって。


槇村さん、井川さんに嫉妬するなんて、聞き捨てならないこと言うんだもん。

お友達なら嫉妬なんてしないよね?

お友達のつもりじゃないなら、お付き合いを考えているということだろうか。

そういうつもりで誘っているんだろうか。

私と……こ、恋人になりたい?

もしかして私、幸せな未来を掴める?

それともまさか、あれはただの営業トーク?

私なんて候補の一人?

……候補生はたくさんいそうだもんね。

たくさんの候補生を蹴落として勝ち抜いていく自信なんてないなー。

もう深く考えない方がいいのかな。

だいたい、槇村さんのことをよく知らないから困惑しているんだよ。

今日、いろいろとお話ししてみよう。
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