女子力高めなはずなのに
「……なんか中野さんがちょっと近い存在に思えてきた」

「え?私、遠い存在でした?」

「遠い遠い!だって、すごい綺麗にしてるじゃない?上品な感じで育ちも良さそうだし。私なんかとは全然違うなーって」

「……そうでしたか」

そんなことないのに……。

私は表面的に清楚に見えるように装ってるだけで。

「私なんて化粧だけですよ」

「なんか意外だな、そんなこと言う中野さん。もっと自信たっぷりで嫌な子なのかと思ってたけど、そんなことないんだね」

……ノムさん、ハッキリ言うなー。

「そんなこと……。だいたいノムさんも、あ……」

しまった、うっかり通称で言ってしまった。

「いいよ、ノムさんで」

「えっと……じゃあ遠慮なく。ノムさん……、めんどくさがらないで、もうちょっとお化粧すればいいんですよ」

「え?うん……。めんどくさいっていうのも確かにあるけど、化粧をする自信もないの……。化粧なんてしたらむしろ変になるんじゃないかな、とか思っちゃって」

ノムさんはうつむいてため息をついた。

「そんな劇的に変わるような化粧しなくてもいいじゃないですか」

「うーん、そうなんだけどねぇ……」

「ノムさん色白だから、薄化粧でもすごく映えると思いますよ」

「そうかな」

「そうですよ!私のリップでよければ付けてみます?あ、ビューラーも使ってみましょうか?」
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