キャッチ・ミー ~私のハートをつかまえて~
「前にも言ったとおり、つき合ってる女はいねえ。この5日間は仕事で留守してた」
「ぁ・・・ごめ、んなさい」
「俺は他に女がいながら、おまえにキスしたり、プレゼントあげたり・・頻繁におまえんちへ行ったりしねえよ」と俺は言いながら、聖との距離を少し縮めると、顎に置いてた親指で、聖の唇をゆっくりなぞった。

それだけで聖の体が微かに震え始める。
聖は両目をつぶって恥業に耐えてるような顔をしているが、嫌がってねえのは確かだ。
その証拠に、こいつはいつでも身を引けるのに、そこに立っているだけだし。

「俺・・・おまえから何もらっても、迷惑だとは思わねえが・・・」
「はぅっ。の、ださ・・・んんっ」
「メシかぁ・・・いいな。マジでなんでもいいのか?」と俺が聞くと、聖は体を震わせたまま、何度か頷いて肯定した。

「じゃあ俺、今は聖が欲しい」

俺は聖の手を取ると、俺んちへ入れてドアを閉めた。
ドアに背を預けている聖は、少し口を開けて俺を見上げている。
さっきまで親指で触れていた聖の唇の感触を思い出しただけで、俺の欲望にスイッチが入った。

俺はわざとらしく聖に体を押しつけると「鍵、閉めていいか」と耳元で囁くように聞いた。
すると聖はハッと息をのみながら、俺の二の腕に華奢な手を乗せた。

そして聖が少しの間の後に頷いたときには、俺はもう鍵を閉めていた。















「ひーちゃん。聖」
「ん・・・・・あっ!」
「朝早くに起こしてごめんな。俺、仕事行く時間なんだ」
「いえっ!わ、わたしも、仕事だから」
「あぁそっか。これ」と俺は言って、聖の衣類と下着をベッドの上に置くと、すぐに寝室を出た。

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