晴れ女
――カチャリ……


お茶とおにぎりをお盆に乗せて部屋に慎吾が戻って来た。



「陽菜ちゃん母ちゃんが良かったらって……陽菜ちゃん?!」


私を見た慎吾が驚きの声を上げて私の肩を掴む。

どうしたの?

私、泣いてないでしょ?



「朝陽に何言われた?」

「何って……特には……」

「そんな訳ないじゃん!!」



ギュッと私を強く抱き締める。



「そんな顔……してまで……」



ぐっと腕に力がこもる。


――慎吾?


私の肩に顔を埋める慎吾。じわり、じわりと肩が冷たくなる。



「慎吾……?泣いてるの?」


「……泣いてねえ」



グズっと鼻をすする音が部屋に響き、しばらくお互いがお互いにもたれかかったまま座り込んでいた。
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