むせかえるよな倉庫の片隅で

「やっぱ先輩じゃないとぉ、わかんないですしねぇ~」


高卒で入ってきた、まだ二十歳のぴちぴち後輩!


のんびり勤怠入力してないで、お前が行けよお前が!


……と言ったって無駄なのはわかっているので、椅子にかけてあった倉庫用のコートを着ながら、パートさんにたずねる。


「はいはい、何がないんですか?」


「えっと、ライターのオイルで……」


「リフトの人は?」


「お休みです。入荷担当も、お子さんが発熱とかで」


そうだった……朝、後輩が電話をとっていたっけ。


だからセンター長はリフトを動かすために、事務所と倉庫を行ったり来たり、ほとんど走り回っている。


もう一人社員はいるけど、西郷隆盛みたいな見た目で、中途入社したてでリフトの免許を持っていない。


注文される商品は集中することもあって、低いところに置いておいた在庫がなくなると、棚の上の方からリフトで下ろす必要があり、今日は運悪く集中する商品が何種類もあるようだった。


「ごめん、荒川さん。じゃ、俺食品の方にいるから、何かあったら呼んで」


センター長はハスキーな声でそう言うと、長い足でのっしのっしと歩いていった。







< 2 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop