むせかえるよな倉庫の片隅で
「やっぱ先輩じゃないとぉ、わかんないですしねぇ~」
高卒で入ってきた、まだ二十歳のぴちぴち後輩!
のんびり勤怠入力してないで、お前が行けよお前が!
……と言ったって無駄なのはわかっているので、椅子にかけてあった倉庫用のコートを着ながら、パートさんにたずねる。
「はいはい、何がないんですか?」
「えっと、ライターのオイルで……」
「リフトの人は?」
「お休みです。入荷担当も、お子さんが発熱とかで」
そうだった……朝、後輩が電話をとっていたっけ。
だからセンター長はリフトを動かすために、事務所と倉庫を行ったり来たり、ほとんど走り回っている。
もう一人社員はいるけど、西郷隆盛みたいな見た目で、中途入社したてでリフトの免許を持っていない。
注文される商品は集中することもあって、低いところに置いておいた在庫がなくなると、棚の上の方からリフトで下ろす必要があり、今日は運悪く集中する商品が何種類もあるようだった。
「ごめん、荒川さん。じゃ、俺食品の方にいるから、何かあったら呼んで」
センター長はハスキーな声でそう言うと、長い足でのっしのっしと歩いていった。