ヒミツの空間

「それならさ、」


沈黙が訪れる中、男の子のうちの一人が口を開く。


「かくれんぼしない?」

「――かくれんぼ!?」


突然の提案に、みんなが一斉に顔を見合わせる。



かくれんぼなんて、一体どこで?



冬を彩るイルミネーションで溢れる街。

一年で一番華やかな季節を迎えていた。


午後9時を過ぎても、人の波が途切れる気配もない。


こんなところでかくれんぼは、ちょっと無謀な気がするけれど……。


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