ヒミツの空間
ちょっと否定的な空気が流れる中
「いいね、それ」
そう言ったのは俊也くんだった。
「だろ? 寒いから身体を温めるのにもいいしさ」
「でも、どこでやるの? 街中なんて範囲が広すぎるし、人も多いし」
うんうん。
本当にその通り。
隠れるには有利だけど、鬼になったら見つけられる自信なんてない。
「会社でやるってのは?」
「――会社!?」
「そこなら建物の中だから範囲は限られるし、この時間なら俺たちの他に人はいないだろうし」
「でも、中に入れてもらえる?」