裏腹王子は目覚めのキスを
* * *
翌朝、昨日よりも早起きをしたわたしは朝からお米をとぎ、トーゴくんが寝ぼけた顔で起きてきたときにはテーブルに一人分の食事の準備をすませていた。
ダイニングを通りかかった彼が大きく口をあけてあくびをする。
「ふああ、ああ? 朝メシ?」
「うん」
お茶碗に炊きたてのご飯をよそって、わたしはそのまま席に着く。
「いただきます。あ、トーゴくんも食べる?」
「いや、俺は……」
用意したのは何の変哲もない和朝食だ。豆腐とわかめのお味噌汁に、だし巻き卵に、ほうれん草のおひたし。
本当は魚の切り身でも焼きたいところだったけれど、昨日スーパーで買い忘れたから、代わりにフライパンでソーセージを焼いた。
湯気を上げるそれらをしばらく見下ろして、トーゴくんはぼそりとつぶやく。
「……食う」
「あ、じゃあすぐできるから、座って」
やった! と心の中でガッツポーズを決めながら、わたしはキッチンに戻った。