絶対零度の鍵
青い目は、目から上だけをベットの淵からにょきっと出して、じっと僕を観察している。

僕の背筋に汗がたらりと伝ったのがわかる。

冷房は適温。

だけど、妙に寒気がする。

ばっちりと目を開けたまま、固まった僕は、もう一度目をゆっくりと瞑る。


これは夢だ、と、頭の中で言い聞かせる。


きっと、よくない夢の続きだと。


そして、そろーっと薄目を開く。


―いる。


まだ見える。


二つの青い目が、瞬きもせずに僕を見ている。


どうか、お願いだから、どっかに行って欲しい。


泣きたいような気持ちになりながら、僕は半ば念じるようにもう一度ぎゅぅっと目を瞑る。
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