絶対零度の鍵
「なぁ、蓮貴ー」
「・・・・」
二人の影が長く伸びる。
赤い夕焼けがそろそろ闇と共になろうとしている。
辺りは、相変わらず、静かだ。
だから余計に、話し声が響く。
「ねーねー、翠のこと、好きなんでしょ?」
「・・・・」
「白状しちゃいなよ」
「・・・・」
「伝えないの?」
「・・・・」
「なぁ」
僕は早足で前を行く蓮貴の後ろを付かず離れずで歩く。
「いつ、蓮貴はいなくなっちゃうんだよー」
一方的に響く声は、夕暮れ時の今、やけに寂しげに感じる。