近しい華は高嶺に咲く美しき花
＊～side MADOKA～
9月。
私は花村と一緒に月イチ恒例の群馬県への出張へ出た。

今日は群馬県内でのみ展開する書店チェーンの本部と、わかば堂書店の地元の支店に行く予定。

お昼前に現地に到着し、郊外のファミレスでランチを食べた後、チェーン本部で売上の報告を受け、新たな展開の提案をした。

それが終わると、いつものようにちょっとした雑談になる。

花村とこのチェーンを一緒に回るようになって3年。
先方の担当者ともすっかり顔なじみだ。

『12月に、結婚することになったんです』

そう話す女性の担当者は私と同じ歳。

「それは、おめでとうございます」
『おめでとうございます』

花村と2人で祝福した。

聞けば、元々ここ群馬県の出身で、地元の小学校で先生をしている同級生がお相手らしい。

「あ～あ、私も結婚したいなぁ」

書店チェーンを出て、書店をいくつか回り、最後に回った駅前の書店から帰るためにコインパーキングに停めている車に向かう途中の私達。
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