そして狂歌ハ流レ出ス
開幕
「明日香ー 祐太ー 和哉ーっ 何やってんの、もう行くよー??」

柔らかくて高い、でもよく通る声が3人の名前を呼ぶ。
その声の持ち主、加藤玲は頭の高い位置でポニーテールにした髪を揺らし、大きな目を釣り上げてもう一度早く、と言った。

「すげーよ玲。どーやったらんな貧弱な体からそんなでっけぇ声が出んだよ」
「祐太、あんたいっつも一言多いんだよ。んでどこ見てんのよ!!変、態っ!!」


確かに祐太と呼ばれた少年の視線は玲の胸や腰に向けられていて。
しまった、と思ったがもう遅かった。

「変」で玲の足は彼、泉祐太の頭上に既にあって、「態」で足は見事に頭に振り下ろされた。


「いっでええええぇぇぇぇええ!!!」

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