OUT

「尚…久しぶりだな…尚…!!!」





永遠は涙を床に染み込ませながら、尚に喋りかけた。



『…永遠ぁ!!ごめんな…どこも怪我…してないか?もう…帰ってこれるのか…?なぁ…ひっ』




「尚は別に悪い事してないじゃんか!なんで謝るんだよ…尚…謝るのは…僕の方だ……」



『………え…?』



永遠は涙を拭って、声だけの尚に、ゆっくりと喋った。



「……も…僕…この国にはいられなくなったんだ…今日…国を…で…る…僕の家族にも…伝えてくれないかな…?」



『…え?ちょ…それ…どういうこと…ひっ…っ』


永遠は息を吸うと、その息を吐くように、呟いた。


「………この国じゃ…生きていけなくなったんだ…本当に突然だけど……仕方ないんだよ…」

『…と…………わ…』


尚の声が、虚しく耳に響いた気がした。


「………な…尚」

『………ん?』



< 243 / 334 >

この作品をシェア

pagetop