OUT

出口に繋がるはずの廊下なのに、長すぎて先が見えない。



気持ち悪い……。



永遠は目の前の光景を見て、不意に思った。



「これを出れば…」


真理和が呟いた。

それを聞くと、千草が言った。



「……はい…もう外です……」



それを聞くと、真理和は涙ぐんだ。


「…そかぁ…外かぁ…」



それに反応するように、真理和の耳についている深美のピアスが揺れた。



「…………今は誰もいない…はやく行きましょう…」




千草が靴をならし、歩き出した。


二人は動きが固くなりながらも、千草について行った。





コツコツコツコツコツコツ…






「…………」




この先に行くと、外に出れる。



…みんなが望んでいた…脱出…





あともう少し、





もう少しで、






……元の世界に戻れる…







永遠がそう思いながら歩いていた…その時だった。






――――ダァアン!!!!





永遠の顔に、生温いなにかがついた。



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