OUT

それでも、二人は泣こうとも、笑おうともしなかった。


呆然としたような、本当に無表情だった。



「……貴方達は、これから亡くなった…みなさんの分まで…生きなければなりません……」



真理和の眉が、ピクリと動いた。

永遠はその長細い眉を、ハの字にした。


それでも千草は続けた。




「…こんな所で弱気になってどうするんです?…貴方達には…まだ沢山の試練が残ってる…」


「「……」」


「どんなに過酷な状態になっても…どんなに辛くても…貴方達は生きて…生き抜いてください…」


「あや…め…さん…」


「…その辛さの分だけ…幸せがきます…必ず…」



菖蒲はとびきりの笑顔を見せた。



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