OUT
「…お元気で…神崎永遠…黒嶋真理和…」
千草がそう言った瞬間、永遠と真理和は千草に飛び付いた。
大粒の涙を頬に流して、泣き叫んだ。
「うぁああぁあ!!菖蒲さん…菖蒲さぁあん!!!ひ…ありがとう…ありがとうぅう……!!!」
「…菖蒲さんも…立派な軍人で…居続けてください…ひっ…ひっく…絶対…死なないでください…」
千草は最後に頭を撫でると、ゆっくり二人を離した。
そして、泣きじゃくる二人を、船に上がらせた。
カン
カン
カン…
虚しく響く階段の音。