きっと恋、これは恋。



ちらっと篠原さんに視線を向けると、

あっちも僕の視線に気づいてパッと明るい表情になる。





「頑張って、僕を落としてみなよ」





前と同じように、

余裕をもちながらそんなことを言う僕はきっと性格が悪い。






でも、今はまだこのままで。







篠原さんは一瞬きょとんとしたあと、

僕を見てムッとする。





「絶対、佐久間くんは私のこと好きになる!!

 …いつか、私の彼氏になってほしい」









僕が篠原さんのことを依里奈と呼ぶ日がくるのも

僕が篠原さんに気持ちを伝えるのも



…それは、もう少しあとのお話。







< 268 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop