きっと恋、これは恋。
ちらっと篠原さんに視線を向けると、
あっちも僕の視線に気づいてパッと明るい表情になる。
「頑張って、僕を落としてみなよ」
前と同じように、
余裕をもちながらそんなことを言う僕はきっと性格が悪い。
でも、今はまだこのままで。
篠原さんは一瞬きょとんとしたあと、
僕を見てムッとする。
「絶対、佐久間くんは私のこと好きになる!!
…いつか、私の彼氏になってほしい」
僕が篠原さんのことを依里奈と呼ぶ日がくるのも
僕が篠原さんに気持ちを伝えるのも
…それは、もう少しあとのお話。