こんなのズルイ。
「そんなのはかわいいヤキモチでしょ。大目に見てあげてよ」
「でも、アオイならそんなこと言ったりしないんじゃないかなって思ってさ」

 タツキの言葉に私は眉を寄せた。私の表情を見て、彼が淡い笑みを浮かべて言う。

「俺さ、ずっとアオイのことが好きだったんだぞ」

 タツキの言葉が信じられなくて、私は瞬きをした。

「高三のとき、話があるからっておまえとメグに呼び出されてさ。あんとき、すごく期待しながら行ったんだ。そうしたら〝メグがあなたのことが好きなんだって〟っておまえに言われてさ。あー、アオイは俺のことなんてなんとも思っちゃいないんだって、すごいショックだった」
「だ、だって、タツキはいつも私には憎まれ口ばかり叩いてたじゃない……」
「好きな女には素直になれなかったんだよ。だから諦めてメグと付き合い始めたんだけど、あんときおまえに好きだって言っておけばよかったかなーなんて」

 コウタにチラリと視線を向けられ、私は激しい怒りを覚えた。

「今さらそんなこと言わないでよっ」

 私はこたつ机を叩いて立ち上がり、ショートブーツに足を入れる。
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