遥か彼方(短編)

放課後






「あ。お待たせ!」
優子の声に皆が振り返る。
「ね、ねえあおい。あの人が遙さん?すっごいイケメンだね…。」
「うん。やっぱり、皆が見てるね。」
やっぱこんなにかっこいい人に私なんかが彼女になれるのかなぁ。
「ゆーうこっ!」
「きょーうすけっ!」
この二人のラブラブっぷりには…。まったく……。
「よ。葵。」
あ。この声…。

「遙!今日の虹の件ありがとうね。」


ホントは言いたい…

好きって……


「おう。葵と仲良くなりてーしな。」
胸がいたい…。
止めて。そんな思わせ振りな言葉。
期待しちゃうから…。
「…私も…だよ…。」
あ。美咲。
「あ、遙紹介するね!親友の美咲!」
「え!よろしくお願いします。」
「…おう…。」
なんか、いつもの遙じゃないな…。
「ねえ、見て葵!上野くん!」
美咲のほっぺ真っ赤だ。可愛い♪
「誰?上野くん。」
「えっと、美咲の好きな人。」
多分両想いなんだろうな…。上野くん、いっつも美咲のこと見てるし。
「ふーん。」
それより、いつまでここにいるんだ!
「ねぇ、早くどっかいこうよー。」
「葵はどこいきたい?私は恭介とブラブラしたいなー。」
優子…。ホントは二人でデートしたいのか
じゃあ、優子と恭介は別々と…。
「ハーイ!私はアイスかクレープ食べたい!」
「じゃ、俺は葵のしたいことしたい。」
え。私?
「えーと、私はー…。」
今の時期、暑いからアイスもいいけど、ゲームセンターで遊びたいし。あ、ショッピングも行きたいなー。
「あ、あの、三浦。」
あ、上野くんだ。何故美咲…?もしかして…!
「う、上野くん!?」
美咲、顔赤いよ…。
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