薬指の秘密
「え、海斗今日も泊まる気?」
見上げると一瞬交わった視線は、すぐに外されて
海斗は、背を向けてしまう
「今日こそは帰ろうと思ったけど、雪を見たら帰る気がめっきり失せた」
遠ざかる背を追ってくるしるふの足音を聞きながら目指すは、慣れ親しんだ医局
「理由、当ててあげようか」
視界の隅に入るブラウンの髪
「寒いから」
「その通り」
見上げてくるしるふの瞳は、少し色素の薄いブラウン
海斗がうなずくのが合図のように止まっていた足を進める
「たかが10分、15分じゃない」
その数分我慢すれば仮眠室のベッドよりも数倍寝心地のいいベッドが待っていてくれるというのに
「その数分が俺にとっては地獄」
あの突き刺すような風を受けた瞬間、思わず足は病院内に戻ろうとする
「海斗体重増量作戦、なんてものを決行してあげようか」
「やってみるか」
試すだけただだし
「そうしなよ」
なんて話した寒い寒い12月上旬
見上げると一瞬交わった視線は、すぐに外されて
海斗は、背を向けてしまう
「今日こそは帰ろうと思ったけど、雪を見たら帰る気がめっきり失せた」
遠ざかる背を追ってくるしるふの足音を聞きながら目指すは、慣れ親しんだ医局
「理由、当ててあげようか」
視界の隅に入るブラウンの髪
「寒いから」
「その通り」
見上げてくるしるふの瞳は、少し色素の薄いブラウン
海斗がうなずくのが合図のように止まっていた足を進める
「たかが10分、15分じゃない」
その数分我慢すれば仮眠室のベッドよりも数倍寝心地のいいベッドが待っていてくれるというのに
「その数分が俺にとっては地獄」
あの突き刺すような風を受けた瞬間、思わず足は病院内に戻ろうとする
「海斗体重増量作戦、なんてものを決行してあげようか」
「やってみるか」
試すだけただだし
「そうしなよ」
なんて話した寒い寒い12月上旬