薬指の秘密
「そっか!!昨日23日!!」

出勤したからわかんなくなってた!!

「私の海斗甘いもの攻め作戦が…」

がっくりとうなだれるしるふに怪訝な瞳を向けるのは、仕方ない

「お前、いったい何をしようと」

「海斗があまりにも無頓着すぎるからクリスマスに相当嫌な思い出作って拒否反応的に思い出すようにしてあげようかと思って」

「趣味悪いぞ、しるふ」

「だって」

海斗が悪い

出張に行くわ、次の日は呼び出しくらうわ

風邪ひくわ

イヴだってことを忘れるわ

「何一つ俺のせいじゃない」

「海斗のせいなの。そういうことにしておくの」

そう言って胡坐をかく海斗の膝に頭を乗せれば、ほんの少し残っているだるさも気にならなくなる

「ぶり返すぞ」

言いながら頭を撫でてくれる手の下で微笑む

かけられたブランケットを肩まで引き上げて、キーボードの音を聞きながらそっと目を閉じる

時折、確かめるように額に手が添えられていたことをしるふは知らない
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