独り歩き。




家に帰ると、リビングからはテレビの音が漏れてて、それと一緒に三人の笑い声が聞こえる。


まるで絵に描いたような温かい家庭がそこにはあった。


それは、自分の家族というよりも他人のようだった。


私はそれを幸せと感じるのでも、誇りに思うのでもなく、ただ羨ましかった。


愛に満ちた温かい家庭…



こうして廊下に立っていたら誰か気付くだろうか?


きっと、気付かないだろう。


私はこの家に住みながらこの家族の輪の中に入れていない。


孤独。


そんな言葉が私にはぴったりだ。


愛。


そんな言葉は私には似合わない。


私は、リビングには入らず、静かに自分の部屋に入った。


誰にも気付かれず…





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