キスの後で……。
「佐久ちゃぁ〜ん、助けてぇ〜!大至急コピーお願いっ!今日、ホワイトデーの最終決定会議あるの忘れてたぁ。」


あれからーーー


あの強烈なキスの日以来、


特に私と鈴木が付き合ったとかそう言う関係になったとかーーーは、ない。


今のところ。


ただ、意識はするようになった。


上司でもある同期。


いつだってのほほんとしていて、あまり向上心も出世欲も無さそうに見えるけど……独占欲が人一倍、強い事と本当はかなり意地悪な強引男だって事がよく分かった。


そして、キスがめちゃ上手い事も……。


だけど、だからと言ってそれだけで鈴木の気持ちを受け入れる訳にはいかない。


鈴木にもあの後、言ったのだ。


「時間が欲しい。ちゃんと鈴木のことを見るから」って。









「なんで、前もって会議の確認してくれないんですか?こっちだって段取りがあるんですからね。間に合ったから良いものを。それと佐久ちゃんって呼ぶの止めて。」


大至急で作った資料を会議室の机に間違いが無いよう確認しながら用意していく。


「ごめぇーん、佐久ちゃぁ〜ん。この借りは体で返すよぉ〜」


と、一緒に資料を並べながら鈴木が言う。


「結構ですっ!」


ったく、調子に乗るんじゃないわよっ!


とは言うものの……


「取り敢えず、これで勘弁してあげるーー」


鈴木のネクタイをクイッと引っ張り、そっと唇を重ねた。


「えっ、さ、佐久ちゃん……今、佐久ちゃんからキスした?」


「ひゃぁっ!」


またもや、会議室の壁に押し付けられると


「マジでそういう可愛い事するのなし、理性が吹っ飛ぶーーー」


唇はあっという間に深く塞がれた。


誰かが来るかもしれないのに


こんな所、見られちゃ不味いのに……


離れそうになる唇を自分から追っていってしまう。


もう、素直になろうーーー


このキスが終わったら、ちゃんと言うんだ











「好きだよ」


って。






















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