思い出の場所で①
彼女の好きな男性(ヒト)
亜弥と2人で来た『クローバー』で、案の定、根本が志村梢と一緒にいた。
もちろん、2人きりではないが…

成り行きで根本たちと一緒に飲むことになったけど、一緒にいるメンバーは志村と根本をくっつけたいらしく、亜弥にとってはかなりのアウェーだ。

「根本くん。梢と付き合っちゃえばいいのに…」
「そうそう。
約束キャンセルされても文句も言わないなんて、きっと彼女の方にも、別の男がいるんだよ」
言いたい放題の一行。

この場に居たくないのだろう、
「ごめんなさい。
ちょっとお手洗いに…」
そう言うと亜弥は席を立った。

それから5分後…
10分後…
亜弥は戻って来ない。

一行の話題は、クリスマスパーティーになっている。
だけど…
亜弥が戻って来ないことには、俺と根本と山口以外、誰も気付かない。

20分たって、俺の携帯が震動する。
メールだ。
すぐに確認する。
隣でも、山口が携帯を確認している。
根本は席を外していた。

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